μVNC for Palm 操作マニュアル

「μVNC for Palm」の操作方法についてご説明しています。

目次

  1. はじめに
  2. インストール
  3. クイック・スタート
  4. μVNCの起動と接続先一覧画面
  5. 接続先の編集画面
  6. 詳細な設定画面
  7. 表示の設定画面
  8. キーの設定画面
  9. メニューの設定画面
  10. システムログ画面
  11. シェアウェアの登録画面
  12. マクロ編集画面
  13. 接続中の操作 (VNC接続編)
  14. 接続中の操作 (SSH接続編)
  15. ZYWRLEのセットアップ
  16. 音声サーバのセットアップ
  17. FAQ:よくある質問と回答

はじめに

この文章では、μVNC for Palmの操作方法について説明します。

また、μVNC for Palmを使用するには、

などの作業が必要です。このマニュアルでは、これらの作業も終了していることを前提としております。

↑ 目次にもどる

インストール

配布されたμVNCパッケージ(mVNC.zip)をダウンロードして、パッケージの中にある4つの"*.prc"の中から好みのものを選び、 HotSync等の機能を使って、 Palm OS機にインストールします。 (HotSyncを用いたインストール方法については、Palm OS機付属のマニュアル、または、 一般の書籍・ウェブサイト等をご参照ください。)

4つの"*.prc"は、以下のようになっています。

mVNC.prc
日本語メッセージ/小さな特殊キーパッド・細いスクロールバー
mVNCEng.prc
英語メッセージ/小さな特殊キーパッド・細いスクロールバー
mVNCBig.prc
日本語メッセージ/大きな特殊キーパッド・太いスクロールバー
mVNCBigEng.prc
英語メッセージ/大きな特殊キーパッド・太いスクロールバー

PalmOne社のTungsten T3を使う場合、DIA機能を有効にする為のライブラリを 追加インストールする必要があります。 必要なファイルをダウンロードのコーナーに置いておきますので、 これも併せてインストールしてください。 (これは、当社配布物ではなく、PalmOne社からの配布物です。) => ダウンロード

SSH2をお使いになる場合は、SSH2/サブディレクトリ以下にある *.prcファイルをインストールして下さい。

インストールが完了すると、Palm OS機のランチャー画面にμVNCのアイコンが現れますので、 インストールされた事が確認できます。

クイック・スタート

μVNCの操作の概要は、以下のようになります。詳しい画面については、それぞれのリンク先を参照してください。

  • Palm OSランチャーからμVNCアイコンをタップして起動
  • 接続先一覧画面[新規]ボタンをタップ => 接続先の編集画面に移る
  • [名称]には、好きな名前を入力(標準の"My Server"のままでも構わない)
  • SSH暗号化通信を使う場合は、[SSHホスト]に、Firewallまたは接続先PCのDNS名/IPアドレスを入力
    併せて、SSHログインに使用するユーザ名/パスワードを[SSHユーザ]/[SSHパスワード]に設定
  • [VNCホスト]に、接続先PCのDNS名/IPアドレスを入力
  • [Display]に、以下のリストを元に接続先VNCサーバのDisplay番号を設定
    • RealVNC(Win)/OSXvnc(Mac) : 0
    • rdp2vnc(Win) : 23
    • Xvnc(Unix) : 1
  • [詳細]をタップして、詳細な設定を行う(接続確認だけなら、設定しなくても構わない)
  • [OK]をタップして、設定保存して、接続先一覧画面に戻る
  • [接続]をタップする => PCの画面が現れる

接続中は、原則として、全てのキー(Graffiti)入力とペン入力は、PCへのキー/マウス入力としてそのまま送られるので、 直接PCを使用しているのと同じように操作すればよいが、 シフトキーや右マウスボタンクリック等は、標準のPalm OSにはない操作なので、特別な入力法を使用する。

接続中の操作(VNC接続編)で、それらの特殊操作を把握しておくと、より使いやすくなる。

↑ 目次にもどる

μVNCの起動と接続先一覧画面

ランチャー画面にあるμVNCアイコンをタップして、 μVNCを起動すると、この画面が現れます。

以下の説明において、「接続先」とは、μVNCから操作するPC(VNCサーバ稼動PC)に 接続するために必要な情報を指します。

ここでの設定内容についてご説明いたします。

接続
作成済みの設定を使って、VNCサーバに接続します。接続したい接続先を[接続先]一覧の中から選択してから、このボタンをタップしてください。
新規
新しい設定(接続先)を作ります。このボタンをタップすると、新しい設定の接続先の編集画面に移ります。
編集
既にある接続先の設定内容を変更します。編集したい接続先を[接続先]一覧の中から選択して、 このボタンをタップしてください。設定の接続先の編集画面に移ります。
複製
既にある接続先の設定内容と同一内容の設定を新しく作ります。 新しく作られた設定は、同一の名前で[接続先]一覧の末尾に追加されます。 複製元の接続先を[接続先]一覧の中から選択して、このボタンをタップしてください。
削除
既にある接続先を削除します。 削除する接続先を[接続先]一覧の中から選択して、このボタンをタップしてください。 削除確認のメッセージが現れますので、削除するときは[Yes]を、やめるときは[Cancel]を押してください。
登録
μVNCVNCを御購入頂く場合、この画面から、自分のReg.Codeの確認や、 License Codeの入力を行います。 このボタンをタップすると、シェアウェアの登録画面に移ります。
ログ
μVNCVNCの動作状況のログを見ることが出来ます。
このボタンをタップすると、システムログ画面に移ります。
マクロ
サイドメニューで使用するマクロを編集します。
このボタンをタップすると、マクロ編集画面に移ります。
?
ヘルプメッセージを表示します

なお、CLIEを使っている場合、Jogダイアルによる操作が出来ます。

JogUp
[接続先]一覧の選択を上に動かす
JogDown
[接続先]一覧の選択を下に動かす
JogPush
[接続]を行う

↑ 目次にもどる

接続先の編集画面

新しい接続先(設定)を作った場合や、過去に作成した接続先の編集を選択した場合に、この画面が現れます。

ここでの設定内容についてご説明いたします。

[名称]
接続先一覧で表示される接続名です。31文字以内の、全角文字を含む、任意の名前を付けられます。
[VNCホスト]
VNCサーバが起動しているPCのアドレスをDNS名またはIPアドレスで指定します。63文字以内の、半角英数記号で指定します。
なお、[SSHホスト]を指定して、[VNCホスト]を指定しない(空欄:空にしておく)と、VNC接続の代わりに、SSHターミナル接続を行います。
[Display]
VNCサーバのDisplay番号を指定します。4桁以内の半角数字で指定します。
この[Display]には、通例、RealVNC(Win)/OSXvnc(Mac)サーバの時は0を、 rdp2vnc(Win)の時は23を、Xvnc(Unix)サーバの時は1を指定しまが、 この値は、サーバ側の設定により変更可能なので、サーバ側の設定に合わせて指定してください。 この値に5900を足した値が、VNCサーバのポート番号になります。
[VNCパスワード]
VNCサーバのパスワードを指定します。サーバに設定した値を、31文字以内の、半角英数記号で入力してください。
ここで指定しない場合は、接続時に毎回パスワードを尋ねてきます。 また、rdp2vncサーバ等、接続時にVNCパスワードを必要としないサーバでは設定する必要はありません。 (接続時に毎回尋ねられる事もありません。)
なお、VNCパスワードはPalm OS機に暗号化されずに保存されるので、セキュリティが気になる方は、ここでは設定しない方が良いでしょう。
[SSHホスト]
SSHによる暗号化通信を行う場合は、SSHサーバが起動しているFirewallまたは、PCのアドレスをDNS名またはIPアドレスで指定します。
63文字以内の、半角英数記号で指定します。SSHを使わない場合は空欄のままにしておきます。
[SSHポート]
SSHを使う場合、SSHサーバのポート番号を指定します。4桁以内の半角数字で指定します。
通例、この値には22を指定しますが、SSHサーバ側で、ポート番号を変更している場合には、サーバ側の設定に合わせて指定してください。 [SSHホスト]が空の場合、この設定は無視されます。
[SSHユーザ]
SSHを使う場合、SSHサーバにログインする際に使われるユーザのユーザ名を指定します。31文字以内の、半角英数記号で指定します。
[SSHホスト]が空の場合、この設定は無視されます。
[SSHパスワード]
SSHを使う場合、SSHサーバにログインする際に使われるユーザのパスワードを指定します。31文字以内の、半角英数記号で指定します。
ここで指定しない場合は、接続時に毎回パスワードを尋ねてきます。
なお、SSHパスワードはPalm OS機に暗号化されずに保存されるので、セキュリティが気になる方は、ここでは設定しない方が良いでしょう。
[SSHホスト]が空の場合、この設定は無視されます。
詳細
接続先に関する更に詳細な設定を行います。詳細な設定画面に移ります。
なお、このボタンを押すと、自動的に、[OK]が押されたのと同様に、それまでの設定内容が保存されます。
表示
接続先に関する更に詳細な設定を行います。表示の設定画面に移ります。
なお、このボタンを押すと、自動的に、[OK]が押されたのと同様に、それまでの設定内容が保存されます。
キー
接続先に関する更に詳細な設定を行います。キーの設定画面に移ります。
なお、このボタンを押すと、自動的に、[OK]が押されたのと同様に、それまでの設定内容が保存されます。
メニュー
接続時に使用するサイドメニューの設定を行います。メニューの設定画面に移ります。
なお、このボタンを押すと、自動的に、[OK]が押されたのと同様に、それまでの設定内容が保存されます。
OK
設定内容を保存する場合に押してください。保存後、接続先一覧画面に戻ります。
キャンセル
設定内容を破棄する場合に押してください。破棄後、接続先一覧画面に戻ります。

↑ 目次にもどる

詳細な設定画面

接続先の編集画面で詳細を押すと、この画面が現れます。

ここでの設定内容についてご説明いたします。

[NTユーザ]/[NTパスワード]
NTログオンする際に使われるアカウントを指定します。
これを指定しておくと、Windowsのログオン画面で入力するアカウント名とパスワードを、簡単なボタン操作で、自動的に入力できるようになります。 ボタン操作については接続中の操作 (VNC接続編)を御覧下さい。
[NTパスワード]をここで指定しない場合は、ボタン操作時に毎回パスワードを尋ねてきます。
なお、NTパスワードはPalm OS機に暗号化されずに保存されるので、 セキュリティが気になる方は、ここでは設定しない方が良いでしょう。
また、この機能は、NTログオン画面が現れるPCにのみ有効です。 UnixやMacでは使用できませんし、WindowsでもNTログオン画面が現れないもの(例えば、XPの「ようこそ」画面)では使用できません。
[デスクトップ共有を許可する]
複数のユーザで一つのデスクトップを共有するかどうかを指定します。(この設定は、接続先がrdp2vnc(Win)の場合、無視されます。)
[クリップボード貼り付け方法]
ローカル入力ダイアログで入力したテキストをサーバーに送る方法を指定します。ローカル入力ダイアログについては接続中の操作 (VNC接続編)を御覧下さい。
サーバー送出時に、OS毎に、次のようなキー操作を自動的に行います。
  • Windows : Ctrl+V
  • Mac : Alt+V
  • Unix(X Window System) :マウス中ボタン
エンコード方式
PC画面を送る際の圧縮方式(エンコーディング方式)を指定します。
  • 互換(Hextile) : 基本的なエンコードです。あらゆるVNCサーバに接続できますが、効率は良くありませんので、古いVNCサーバと接続する場合を除き、使用しない事を推奨します。
  • 標準(ZRLE) : 標準的なエンコードです。通常はこの方式を選択してください。
  • 不可逆高画質(ZYWRLE-High) :
  • 不可逆中画質(ZYWRLE-Mid) : 弊社が開発した動画再生に適した エンコード方式です。画像が部分的に荒くなりますが、動画再生時に、ZRLEの50%(高画質)15%(中画質)程度まで通信量を削減する事が出来ます。 このエンコード方式を使用するにはZYWRLEに対応したVNCサーバが必要です。詳しくは、ZYWRLEのセットアップを御覧下さい。
[ネットワーク]
この接続で使用するネットワーク接続を指定します。
タップすると、標準の[環境設定]/[ネットワーク]画面が現れますので、接続に使用する設定を選択して[終了]を押してください。 この画面に戻ってくると、設定名が[ネットワーク]部分に入ります。
指定しない、または[消去]ボタンを押して、[自動選択]にしておくと、[環境設定]/[ネットワーク]で指定されている標準の接続先を自動的に選択して接続します。
音声設定
Palm上でPC音声を再生するかどうかを指定します。
  • 音声なし : 音声を再生しません。
  • 低音質(12Kbps) : 電話程度の音質(8KHz/モノラル)で音声を再生します。
  • 中音質(24Kbps) : ラジオ程度の音質(16KHz/ステレオ)で音声再生します。
  • 高音質(48Kbps) : MD程度の音質(22.05KHz/ステレオ)で音声再生します。
音声再生を行うには、VNCサーバとは別に、音声サーバが必要です。詳しくは、音声サーバのセットアップを御覧下さい。
OK
設定内容を保存する場合に押してください。保存後、編集画面に戻ります。
[キャンセル]
設定内容を破棄する場合に押してください。破棄後、編集画面に戻ります。

↑ 目次にもどる

表示の設定画面

接続先の編集画面で表示を押すと、この画面が現れます。

ここでの設定内容についてご説明いたします。

  • [位置X, Y] ... 接続時のリモートデスクトップ上の画面位置を指定します。
    通例、接続先PCの画面解像度は、Palm OS機の解像度より大きいので、Palm OS機の画面には、 接続先PCの画面の一部しか表示できません。
    この値を指定する事により、接続時に、接続先PCの画面のどの部分を表示するかを指定する事が出来ます。
    例えば、解像度1280×1024のPCに、CLIE UX50(実効解像度450×320)で接続する場合、以下の様になります。
  • [スケール] ... 接続時のリモートデスクトップ上の画面縮小比率を指定します。
    この機能を使う為には、VNCサーバ側がServer Side Scaling機能(SSS拡張)をサポートしている必要があります。
    通例、接続先PCの画面解像度は、Palm OS機の解像度より大きいので、Palm OS機の画面には、 接続先PCの画面の一部しか表示できませんが、縮小表示を行う事により、(細かい字は潰れて見えなくなりますが) より広い範囲の接続先PCの画面をPalm OS機に表示させることが出来ます。
    例えば、解像度1280×1024のPCに、CLIE UX50(実効解像度450×320)で接続する時、スケールに2を指定した場合、以下の様になります。
  • [画面回転] ... PC画面を回転させて表示するかどうかを指定します。
    画面を回転させると、CLIE TH55のような縦長画面を持つPDAで、通常のモニター表示と同じ 横長画面状態でPCを操作する事が出来ます。
    なお、画面回転の指定は、接続中に特殊キーパッドで行う事も出来ます。 詳しくは接続中の操作を御覧下さい。

    (注意!):回転するのは、μVNCVNCが処理する範囲(PC画面描画、ペン操作、スクロールバー、 特殊キーパッド)のみで、PDA本体で処理されるもの(グラフィティー領域、日本語入力ダイアログ、 ステータスバー等)は回転しません。よって、回転表示モードは文字入力には不向きです。
    主にマウス操作のみ使用する、ビューワーモードとしてお使い下さい。

    指定の意味は、次のようになります。

    • 通常 : 画面回転を行いません。
    • 右90 : 画面を右に90°回転させます。(PDA本体は左に回転させて持ちます。)
    • 左90 : 画面を左に90°回転させます。(PDA本体は右に回転させて持ちます。)
    縦長画面のCLIEで、画面回転した表示の様子は次のようになります。
  • [16bitカラーを使用する] ... VNC通信で16bitカラー(6万5千色)モードを使用します。 このモードでは、よりPCでの表示に近い色合いで画面描画されますが、通信量は、標準の倍近くに 増えます。無線LAN使用時等、高速なネットワークの場合にのみ使用する事をご推奨します。 (SSHターミナルでは効果はありません。)
  • [低解像度描画を使用する] ... VNC通信で低解像度描画モードを使用します。 このモードでは、スケーリングした時と同じ様に、細かい字は潰れて見えなくなりますが、 通信量をは、標準の半分程度に減ります。携帯電話経由接続等、低速なネットワークの場合のみ 使用することをご推奨します。(SSHターミナルでは効果はありません。)

    上記2つのモードの効果は、以下の様になります。

    モード 描画例 PC画面との差異 通信量
    標準 ○色合いが違う ○500Kbps
    (Bluetooth,CDMA 1x WIN)
    16bitカラー ◎ほぼ同じ △1Mbps
    (無線LAN(Wi-Fi))
    低解像度 △小さい字は見えなくなる ◎100-150Kbps
    (CDMA 1x,FOMA)
  • [システムステータスバーを表示] ... システムステータスバーを表示するかどうかを指定します。
    指定しないと、システムステータスバーは、μVNCVNCのステータスバーと同期して、表示/非表示されます。
  • [スクロールバーを表示] ... スクロールバーを表示するかどうかを指定します。
    指定しないと、スクロールバーは、常時表示されません。
  • [ネットワーク状態を表示] ... 画面右上にある通信状態を表す通信インジケータを 表示するかどうかを指定します。
    指定しないと、通信インジケータは非表示になります。
  • [SSS拡張機能を使用する] ... SSS(Server Side Scaling)機能を使用するかどうかを指定します。
    指定しないと、SSSは無効になり、画面の拡大縮小や低解像度描画モードが使用できなくなりますが、 全てのVNCサーバと通信できるようになります。(SSSは拡張機能なので、SSSを有効にしていると、 μVNCVNCは、多くのVNCサーバ、特に、古いVNCサーバと通信できなくなります。こちらを御覧下さい。)
  • [PC側の操作/表示を無効にする] ... PC側のマウスやキーボード操作を無効にして、画面を非表示にします。
  • [OK] ... 設定内容を保存する場合に押してください。保存後、接続先の編集画面に戻ります。
  • [キャンセル] ... 設定内容を破棄する場合に押してください。破棄後、接続先の編集画面に戻ります。

↑ 目次にもどる

キーの設定画面

接続先の編集画面で[キー]を押すと、この画面が現れます。

画面各部の意味は以下の通りです。

↑ 目次にもどる

接続先の編集画面で[メニュー]を押すと、この画面が現れます。

画面各部の意味は以下の通りです。

↑ 目次にもどる

システムログ画面

μVNCでは、動作状況をログとして記録しています。この画面では、ログを参照することが出来ます。

また、接続失敗した場合等には、自動的にこの画面が現れ、ユーザに接続失敗した状況を通知する場合もあります。

画面各部の意味は以下の通りです。

  • [OK] ... ログ画面を閉じます。接続先一覧画面に戻ります。
  • [クリア] ... 現在までに記録されているログを消去します。

↑ 目次にもどる

シェアウェアの登録画面

μVNCはシェアウェアです。2週間、無償で試用する事が出来ますが、継続して使用する場合には、 ライセンスコードを購入して頂く必要があります。
この画面では、ライセンス購入に必要な、自分のReg.Codeの確認や、 購入したLicense Codeの入力を行う事が出来ます。

画面各部の意味は以下の通りです。

なお、Reg.Code、License Code共に、コードは、英大文字と数字と"-(マイナス/ハイフン)"から成っています。 また、文字の混乱を防ぐため、0(ゼロ),1(イチ)は使用されておらず、O(オー),I(アイ)が使われています。 入力の際には、お間違えのないよう、お気をつけ下さい。

↑ 目次にもどる

マクロ編集画面

μVNCのサイドメニューは、そのままでもさまざまな機能が実行できますが、 この内容は、自由に変更することができます。それぞれのメニュー項目には、 最大8個までのマウス操作やキーボード操作(マクロ)を割り当てることができますので、μVNCから、定型的な操作をメニューから選択するだけで実行することができます。

この節を参考に、マクロを定義するには、VNCプロトコルでのキーコード、マウスイベントの定義やクリップボードの取り扱いなどの、高度な知識が必要です。

設定を誤った場合、μVNCやパソコンが誤動作する恐れがありますので、マクロ定義に必要な情報をお持ちでない場合は、 標準設定のままサイドメニューをお使いになられることをお勧めします。

本書におけるサイドメニューに関連した操作は、カスタマイズしていないサイドメニューを前提としています。

この節の内容を参考に、サイドメニューのカスタマイズを行った場合には、適宜読み替えてご覧下さい。

マクロ定義の内容は、全ての接続先で共通です。接続先ごとにマクロ定義の内容を変更することはできません。

接続先ごとに、サイドメニューに割り当てる順序や、サイドメニューに割り当てるか否かを変更することはできます。

画面各部の意味は以下の通りです。

  • マクロ番号 ... 編集するマクロを番号で選択します。1-19までの19個が選択できます。
  • 名前 ... マクロに付ける名前を入力します。この名前はサイドメニューの項目名として表示されます。半角で31文字まで入力出来ます。
  • 操作番号 ... 操作の順序を表す番号です。1-8までの番号で、小さい数字から順に実行されます。操作種別が(none)以降の操作は行われません。
  • 操作 ... 実行する操作を、操作種別と設定値で指定します。以下のような操作があります。
  • KeyDown、KeyUp
    それぞれ、指定されたキーコードのキーを押す、離すという指令を送ります。
    このキーコードは、X Window Systemで用いられているものと同じです。 詳細なコードについては、キー定義一覧をご覧下さい。

    KeyDown、KeyUpは、必ずペアで定義してください。また、あるキーを押しながら他のキーを押す場合には、 キー定義が入れ子になる点に注意してください。

    指定されたキーコードが、実際にパソコンに送られるかどうかは、パソコン側のVNCサーバの実装に依存します。

    例えば、キーコードとして漢字キー(0xFF21)を指定しても、それを解釈しない(英語版の)VNCサーバをご使用の場合、 正しく処理されません。

    Click
    指定されたマウスのボタンをクリックします。 クリックするマウス座標は、現在のマウスカーソルの位置になります。 指定できるマウスボタンの種類は、以下の通りです。
    0x0001
    左ボタンをクリックする
    0x0002
    中ボタンをクリックする
    0x0004
    右ボタンをクリックする
    Special
    μVNC自身に、指定された指示を出します。指定できる指示は、以下の通りです。
    0x0001
    (未使用)
    0x0002
    パソコンからのクリップボード転送が終わった時点で、バッファの内容を表示する「遅延表示機能」を実行します。 実際の利用例については、サイドメニュー全文取込をご覧下さい。
    0x0003
    左メニューを表示します。
    0x0004
    右メニューを表示します。
    0x0005
    Windowsへのログオンを実行します。
    0x0006
    パソコンとの接続を切ります。
    0x0007
    特殊キーパッドの表示/非表示を切り替えます
    0x0008
    ズームイン。画面の縮小表示比率を小さくします。
    0x0009
    ズームアウト。画面の縮小表示比率を大きくします。
    0x000a
    ファイル転送ファイル転送機能を実行ます。
  • [OK] ... マクロ編集画面を閉じます。接続先一覧画面に戻ります。

↑ 目次にもどる

接続中の操作 (VNC接続編)

一旦、PCに接続すると、原則として、全てのキー(Graffiti)入力とペン入力は、PCへのキー/マウス入力として そのまま送られるので、直接PCを使用しているのと同じように操作する事ができます。

ですが、シフトキーや右マウスボタンクリック等は、元々、Palm OSにはない操作なので、 特別な代替入力法を用いて入力します。
また、それ以外にも、(接続先PCではなく)μVNCVNC自体を操作する為の操作もあります。
ここでは、これらの操作について解説します。

(注意):ここでは、V0.92互換割り当てで説明しますが、 V0.93よりキー割り当てを変更できますので、 キー割り当てを変更した場合、ここの説明と一致しない場合があります。

この説明では、接続先PCのOSとしてWindows XPを、Palm OS機にCLIE UX50を用いましたが、 どのOS、Palm OS機でも、操作方法は同じです。

画面各部の意味は以下の通りです。

接続中の画面表示について

ここでは、PCとの接続中の画面表示についてご紹介します。

μVNCでは、PCとの接続中に、通信状態を表す「通信インジケータ」が表示されます。 ここで、「通信インジケータ」の表示内容についてご紹介します。

青い横線が3本入った四角
通信をしていません。待機状態です。
黄色いSのマーク
携帯からデータを送信中です。
赤いRのマーク
携帯からデータを受信中です。

ペン操作やキー操作は、待機状態の時に受け付けられます。通信回線の状態が悪い時は、 黄色いSのマーク赤いRのマーク状態で長時間停止する事があります。この時は、ペン操作やキー操作はキューに溜められるだけで処理されませんので、無待機状態になるのを待つようにして下さい。

サイドメニューについて

接続中に、5-wayナビの選択キー(PalmOne)やJogPush(Sony)を押すとサイドメニュが表示されます。

このメニューから、様々な操作を行う事が出来ます。各メニューの機能について説明します。

サイドメニューから出来る操作は、マクロとして自由に変更する事ができます。詳しくはマクロ編集を御覧下さい。

  • 左メニューの機能
    • 右メニュー ... 右メニューに切り替えます。
    • キーパッド ... 特殊キーパッドの表示/非表示を切り替えます
    • 全文取込 ... PC上でテキスト表示しているアクティブなアプリがある場合、そのテキストを取り込んでPalmローカルで表示します。
    • ファイル転送 ... ファイル転送機能を使用します。
    • アプリ起動1 ... PC上のアプリを起動します。(送出キーコードはCTRL+ALT+aです。)
    • アプリ起動2 ... PC上のアプリを起動します。(送出キーコードはCTRL+ALT+bです。)
    • Ctl+Alt+Del ... 3ストロークキー"Ctrl+Alt+Delete"を送出します。
    • 閉じる ... アクティブなアプリを閉じます。(送出キーコードはALT+F4です。)
    • 回線切断 ... 接続を終了して接続先一覧画面に戻ります。
  • 右メニューの機能
    • 左メニュー ... 左メニューに切り替えます。
    • ダブルクリック ... 現在のマウス位置で、マウス左ボタンでダブルクリックします。
    • 右クリック ... 現在のマウス位置で、マウス右ボタンクリックします。
    • Enter ... 改行キーを送出します。
    • BS ... backspaceキーを送出します。
    • TAB ... TABキーを送出します。
    • 漢字 ... 漢字キーを送出します。
    • スタートメニュー ... スタートメニューを表示します。(送出キーコードはCTRL+ESCです。)
    • ログイン ... 詳細な設定画面で設定された NTアカウントでログオンを行います。

ファイル転送について

サイドメニューでファイル転送を選択すると、ファイル選択ダイアログが現れ、Palmの外部メモリカードとリモートPCとの間で、ファイルの送受信ができるようになります。

ファイル転送には、Ultr@VNCのファイル転送プロトコルを利用しますので、この機能を使用する際には、Ultr@VNCまたはUltr@VNC準拠のVNCサーバを御利用ください。

  • Vol ... 選択対象のメモリーカード(Palm)/ハードディスクドライブ(PC)を選択します。
  • カレントディレクトリ ... 現在のディレクトリを表示します。
  • ファイル名一覧 ... 現在のディレクトリにあるファイルの一覧を表示します。ディレクトリ名の場合は末尾に/(Palm)\(PC)を表示します。 ディレクトリを選択すると、現在のディレクトリがそのディレクトリに変更されます。 ../(Palm)..\(PC)を選択すると、一つ上のディレクトリに移動します。 ファイル名を選択すると転送を開始します。
  • キャンセル ... 転送を中止します。
  • 送信/受信 ... 転送方向を送信(Palm=>PC)と受信(PC=>Palm)とで切り替えます。 切り替えると、ディレクトリ名やファイル名一覧が、転送元のファイルシステムのものに変更されます。

このダイアログ操作により、送信元のファイルは任意に指定できますが、送信先のディレクトリは、 次の様に固定されています。

  • 送信 ... リモートPCにログイン中のユーザの「マイドキュメント」
  • 受信 ... Palmの外部メモリ上の"/Palm/Programs/mVNC/"

転送を開始すると、ファイル名と転送の進捗状況が表示されます。

転送が完了すると、ファイル転送完了というメッセージが表示されます。 もし、転送中に何らかのエラーが起きた場合は、次の様なエラーが表示されます。

ファイル転送中に発生するエラー
メッセージ 意味と対処方法
リモート側で転送禁止

VNC側でファイル転送が拒否されました。以下のような原因があります。

書き込み先に同名ファイルがあり、そのファイルが書き込み禁止状態になっている。例えば、実行中にプログラムである等。
書き込み先のディレクトリやファイル状態を確認してください。
書き込み先のファイルシステムが書込み禁止である。例えば、メモリカードが書込み禁止状態である等。
メモリカードの書き込み許可状態を確認してください。
送信の際に、リモートPCがまだログインしていない状態で、書き込みユーザや権限が特定できない。
ファイル転送を行う前に、リモートPCにログインしてください。

音声再生中は転送禁止

音声再生機能を使用している時は、ファイル転送できません。音声再生を不使用にしてから接続し直してください。

処理タイムアウト。転送をサポートしていないVNCサーバ?

ファイル転送中、VNCサーバからの応答がありませんでした。Ultr@VNCを使っている限り、このエラーは発生しませんが、ファイル転送をサポートしていない他のVNCサーバを使っていると発生する事があります。サーバの種別を確認し、ファイル転送対応のサーバにアップグレードしてください。

ファイル処理中にエラー発生

Palm上のファイルにアクセス中にエラーが発生しました。以下のような原因があります。

外部メモリカードをサポートしていないPalm
そのようなPalmではファイル転送は出来ません。
メモリーカード未挿入
転送したいファイルが入っているメモリカードをスロットに挿入してください。

↑ 目次にもどる

接続中の操作 (SSH接続編)

接続中の操作(VNC接続編)と同様に、SSH接続の場合も、 接続すると、原則として、全てのキー(Graffiti)入力は、PCへのキー入力として そのまま送られるので、直接PCを使用しているのと同じように操作する事ができます。
(ターミナル接続になので、原則として、ペン(マウス)操作はありません。)

Palm OSにはない操作は、VNC接続と同様に、画面下部の特殊キーパッドで入力します。

特殊キーパッドの操作は、接続中の操作(VNC接続編)を参照してください。

なお、FNをON状態にすると、ボタンシフト状態となり、以下の画面のように、 カーソルから右(6番目以降)のボタンには、 画面に入りきらなかったボタン(12番目以降)が表示されるようになります。

KeyボタンやRotボタンを操作する場合は、まず、FNボタンを押して、これらを表示してから、 操作してください。

↑ 目次にもどる

ZYWRLEのセットアップ

ZYWRLEは、当社が開発した方式ですので、VNCサーバには標準では入っていません。 ZYWRLEを使用するには、以下のような作業が必要です。

Windows:Ultr@VNC V1.0.2を使う場合
当社でZYWRLE対応済みのUltr@VNC V1.0.2のバイナリを用意しました。
Ultr@VNC V1.0.2をインストールした後に、ファイルを置き換えてください。 ダウンロードは、こちらから。
他のOSおよび他のVNCサーバ
御自身でVNCサーバをビルドして頂く必要があります。各VNCサーバのソースを取得して、当社が提供します下記パッチを適用してからビルドしてください。

なお当社では、ZYWRLEを各VNCサーバの標準エンコーディング方式に加えて頂くよう、提案活動中であり、 将来的には、このような追加作業はなくなるものと考えています。

ZYWRLEの技術詳細については、ZYWRLEの参照実装資料(英文)を御覧下さい。

↑ 目次にもどる

音声サーバのセットアップ

音声配信は、VNCサーバとは別のサーバを使って配信します。 プロトコル規格は、ESD(Enlightened Sound Daemon)に独自にVorbis音声圧縮機能を加えたものです。 μVNCの音声受信機能を使うには、以下のような作業が必要です。

Windows:EsdMonSrvを使う
当社で音声を配信するサーバ(常駐プログラム)を用意しました。
こちらからダウンロードして常駐させておいてください。
EsdMonSrvを起動するには、rarewaresにあるOgg Vorbis DLLが必要です。 こちらも併せてダウンロードして展開しておいてください。
UNIX系(Linux等):
オリジナルのesdにVorbis音声圧縮機能を加えるパッチを用意しました。
オリジナルのesdをソースを取得して、当社が提供します下記パッチを適用してからビルドしてください。
esound-0.2.35-vorbis.diff.txt

↑ 目次にもどる

FAQ:よくある質問と回答

Q. PalmVNCでは接続できるのに、μVNCVNCでは接続できません。何故?
Q. 接続した直後に、VNCサーバから切断されます。何故?
A. SSS拡張機能を使用するの設定を解除して接続してみて下さい。
もし、これで接続できるなら、ご使用のVNCサーバーはSSS(Server Side Scaling)をサポートしていません。
非力なPalmOS機/通信回線で快適に操作する為に、SSSは必須の機能ですが、SSSは拡張機能ですので、 全てのVNCサーバがサポートしている訳ではありません。(PalmVNCは、スケーリングを1:1にするとSSSを使いません。) SSS無効状態では、画面拡大縮小・低解像度描画機能が使用できませんが、全ての VNCサーバに接続することができます
SSS対応のサーバに更新される事を推奨しますが、できない場合は、SSS無効モードでお使い下さい。
以下に、主なVNCサーバのSSS対応状況を示します。
OS/Server type VNC Server SSS Support 備考
Windows RDP Proxy rdp2vnc ◎:対応 弊社より御提供
単独型サーバ Ultr@VNC ◎:対応 標準で対応。画面に一部ゴミが残る事がある
RealVNC △:一部対応 標準では非対応。弊社よりV3.3.7の対応版を御提供
その他(TightVNC等) ×:非対応  
Unix系 Xvnc RealVNC △:パッチ必須 Linux等のバイナリ配布では非対応。
パッチを当ててビルドする必要あり
Mac OS Xネイティブ OSXvnc ◎:対応 V1.5より標準で対応予定
Q. Tungsten T3で、スクロールバーが出たり出なかったりする。
A. Tungsten T3 DIA Compatibility PRCsは、 インストールしましたか。Tungsten T3では必ず必要です。

↑ 目次にもどる