μVNC for Palm 操作マニュアル
「μVNC for Palm」の操作方法についてご説明しています。
はじめに
この文章では、μVNC for Palmの操作方法について説明します。
また、μVNC for Palmを使用するには、
- Palm側の無線ネットワークの設定
- 操作するPCへのVNCサーバのインストールおよびセットアップ
- ファイヤーウォールなどの設定
- ネットワークの相通確認
などの作業が必要です。このマニュアルでは、これらの作業も終了していることを前提としております。
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インストール
配布されたμVNCパッケージ(mVNC.zip)をダウンロードして、パッケージの中にある4つの"*.prc"の中から好みのものを選び、 HotSync等の機能を使って、
Palm OS機にインストールします。 (HotSyncを用いたインストール方法については、Palm OS機付属のマニュアル、または、
一般の書籍・ウェブサイト等をご参照ください。)
4つの"*.prc"は、以下のようになっています。
- mVNC.prc
- 日本語メッセージ/小さな特殊キーパッド・細いスクロールバー
- mVNCEng.prc
- 英語メッセージ/小さな特殊キーパッド・細いスクロールバー
- mVNCBig.prc
- 日本語メッセージ/大きな特殊キーパッド・太いスクロールバー
- mVNCBigEng.prc
- 英語メッセージ/大きな特殊キーパッド・太いスクロールバー
インストールが完了すると、Palm OS機のランチャー画面にμVNCのアイコンが現れますので、
インストールされた事が確認できます。

クイック・スタート
μVNCの操作の概要は、以下のようになります。詳しい画面については、それぞれのリンク先を参照してください。
- Palm OSランチャーからμVNCアイコンをタップして起動
- 接続先一覧画面で[新規]ボタンをタップ => 接続先の編集画面に移る
- [名称]には、好きな名前を入力(標準の"My Server"のままでも構わない)
- SSH暗号化通信を使う場合は、[SSHホスト]に、Firewallまたは接続先PCのDNS名/IPアドレスを入力
併せて、SSHログインに使用するユーザ名/パスワードを[SSHユーザ]/[SSHパスワード]に設定
- [VNCホスト]に、接続先PCのDNS名/IPアドレスを入力
- [Display]に、以下のリストを元に接続先VNCサーバのDisplay番号を設定
- RealVNC(Win)/OSXvnc(Mac) : 0
- rdp2vnc(Win) : 23
- Xvnc(Unix) : 1
- [詳細]をタップして、詳細な設定を行う(接続確認だけなら、設定しなくても構わない)
- [OK]をタップして、設定保存して、接続先一覧画面に戻る
- [接続]をタップする => PCの画面が現れる
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μVNCの起動と接続先一覧画面
ランチャー画面にあるμVNCアイコン
をタップして、
μVNCを起動すると、この画面が現れます。
以下の説明において、「接続先」とは、μVNCから操作するPC(VNCサーバ稼動PC)に
接続するために必要な情報を指します。
ここでの設定内容についてご説明いたします。
- 接続
- 作成済みの設定を使って、VNCサーバに接続します。接続したい接続先を[接続先]一覧の中から選択してから、このボタンをタップしてください。
- 新規
- 新しい設定(接続先)を作ります。このボタンをタップすると、新しい設定の接続先の編集画面に移ります。
- 編集
- 既にある接続先の設定内容を変更します。編集したい接続先を[接続先]一覧の中から選択して、
このボタンをタップしてください。設定の接続先の編集画面に移ります。
- 複製
- 既にある接続先の設定内容と同一内容の設定を新しく作ります。
新しく作られた設定は、同一の名前で[接続先]一覧の末尾に追加されます。
複製元の接続先を[接続先]一覧の中から選択して、このボタンをタップしてください。
- 削除
- 既にある接続先を削除します。
削除する接続先を[接続先]一覧の中から選択して、このボタンをタップしてください。
削除確認のメッセージが現れますので、削除するときは[Yes]を、やめるときは[Cancel]を押してください。
- 登録
- μVNCVNCを御購入頂く場合、この画面から、自分のReg.Codeの確認や、
License Codeの入力を行います。
このボタンをタップすると、シェアウェアの登録画面に移ります。
- ログ
- μVNCVNCの動作状況のログを見ることが出来ます。
このボタンをタップすると、システムログ画面に移ります。
- マクロ
- サイドメニューで使用するマクロを編集します。
このボタンをタップすると、マクロ編集画面に移ります。
- ?
- ヘルプメッセージを表示します
なお、CLIEを使っている場合、Jogダイアルによる操作が出来ます。
- JogUp
- [接続先]一覧の選択を上に動かす
- JogDown
- [接続先]一覧の選択を下に動かす
- JogPush
- [接続]を行う
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接続先の編集画面
新しい接続先(設定)を作った場合や、過去に作成した接続先の編集を選択した場合に、この画面が現れます。
ここでの設定内容についてご説明いたします。

- [名称]
- 接続先一覧で表示される接続名です。31文字以内の、全角文字を含む、任意の名前を付けられます。
- [VNCホスト]
- VNCサーバが起動しているPCのアドレスをDNS名またはIPアドレスで指定します。63文字以内の、半角英数記号で指定します。
- なお、[SSHホスト]を指定して、[VNCホスト]を指定しない(空欄:空にしておく)と、VNC接続の代わりに、SSHターミナル接続を行います。
- [Display]
- VNCサーバのDisplay番号を指定します。4桁以内の半角数字で指定します。
- この[Display]には、通例、RealVNC(Win)/OSXvnc(Mac)サーバの時は0を、
rdp2vnc(Win)の時は23を、Xvnc(Unix)サーバの時は1を指定しまが、
この値は、サーバ側の設定により変更可能なので、サーバ側の設定に合わせて指定してください。
この値に5900を足した値が、VNCサーバのポート番号になります。
- [VNCパスワード]
- VNCサーバのパスワードを指定します。サーバに設定した値を、31文字以内の、半角英数記号で入力してください。
- ここで指定しない場合は、接続時に毎回パスワードを尋ねてきます。
また、rdp2vncサーバ等、接続時にVNCパスワードを必要としないサーバでは設定する必要はありません。 (接続時に毎回尋ねられる事もありません。)
- なお、VNCパスワードはPalm OS機に暗号化されずに保存されるので、セキュリティが気になる方は、ここでは設定しない方が良いでしょう。
- [SSHホスト]
- SSHによる暗号化通信を行う場合は、SSHサーバが起動しているFirewallまたは、PCのアドレスをDNS名またはIPアドレスで指定します。
- 63文字以内の、半角英数記号で指定します。SSHを使わない場合は空欄のままにしておきます。
- [SSHポート]
- SSHを使う場合、SSHサーバのポート番号を指定します。4桁以内の半角数字で指定します。
- 通例、この値には22を指定しますが、SSHサーバ側で、ポート番号を変更している場合には、サーバ側の設定に合わせて指定してください。
[SSHホスト]が空の場合、この設定は無視されます。
- [SSHユーザ]
- SSHを使う場合、SSHサーバにログインする際に使われるユーザのユーザ名を指定します。31文字以内の、半角英数記号で指定します。
- [SSHホスト]が空の場合、この設定は無視されます。
- [SSHパスワード]
- SSHを使う場合、SSHサーバにログインする際に使われるユーザのパスワードを指定します。31文字以内の、半角英数記号で指定します。
- ここで指定しない場合は、接続時に毎回パスワードを尋ねてきます。
- なお、SSHパスワードはPalm OS機に暗号化されずに保存されるので、セキュリティが気になる方は、ここでは設定しない方が良いでしょう。
- [SSHホスト]が空の場合、この設定は無視されます。
- 詳細
- 接続先に関する更に詳細な設定を行います。詳細な設定画面に移ります。
- なお、このボタンを押すと、自動的に、[OK]が押されたのと同様に、それまでの設定内容が保存されます。
- 表示
- 接続先に関する更に詳細な設定を行います。表示の設定画面に移ります。
- なお、このボタンを押すと、自動的に、[OK]が押されたのと同様に、それまでの設定内容が保存されます。
- キー
- 接続先に関する更に詳細な設定を行います。キーの設定画面に移ります。
- なお、このボタンを押すと、自動的に、[OK]が押されたのと同様に、それまでの設定内容が保存されます。
- メニュー
- 接続時に使用するサイドメニューの設定を行います。メニューの設定画面に移ります。
- なお、このボタンを押すと、自動的に、[OK]が押されたのと同様に、それまでの設定内容が保存されます。
- OK
- 設定内容を保存する場合に押してください。保存後、接続先一覧画面に戻ります。
- キャンセル
- 設定内容を破棄する場合に押してください。破棄後、接続先一覧画面に戻ります。
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詳細な設定画面
接続先の編集画面で詳細を押すと、この画面が現れます。
ここでの設定内容についてご説明いたします。

- [NTユーザ]/[NTパスワード]
- NTログオンする際に使われるアカウントを指定します。
- これを指定しておくと、Windowsのログオン画面で入力するアカウント名とパスワードを、簡単なボタン操作で、自動的に入力できるようになります。
ボタン操作については接続中の操作 (VNC接続編)を御覧下さい。
- [NTパスワード]をここで指定しない場合は、ボタン操作時に毎回パスワードを尋ねてきます。
- なお、NTパスワードはPalm OS機に暗号化されずに保存されるので、
セキュリティが気になる方は、ここでは設定しない方が良いでしょう。
- また、この機能は、NTログオン画面が現れるPCにのみ有効です。
UnixやMacでは使用できませんし、WindowsでもNTログオン画面が現れないもの(例えば、XPの「ようこそ」画面)では使用できません。
- [デスクトップ共有を許可する]
- 複数のユーザで一つのデスクトップを共有するかどうかを指定します。(この設定は、接続先がrdp2vnc(Win)の場合、無視されます。)
- [クリップボード貼り付け方法]
- ローカル入力ダイアログで入力したテキストをサーバーに送る方法を指定します。ローカル入力ダイアログについては接続中の操作 (VNC接続編)を御覧下さい。
- サーバー送出時に、OS毎に、次のようなキー操作を自動的に行います。
- Windows : Ctrl+V
- Mac : Alt+V
- Unix(X Window System) :マウス中ボタン
- エンコード方式
- PC画面を送る際の圧縮方式(エンコーディング方式)を指定します。
- 互換(Hextile) : 基本的なエンコードです。あらゆるVNCサーバに接続できますが、効率は良くありませんので、古いVNCサーバと接続する場合を除き、使用しない事を推奨します。
- 標準(ZRLE) : 標準的なエンコードです。通常はこの方式を選択してください。
- 不可逆高画質(ZYWRLE-High) :
- 不可逆中画質(ZYWRLE-Mid) : 弊社が開発した動画再生に適した
エンコード方式です。画像が部分的に荒くなりますが、動画再生時に、ZRLEの50%(高画質)15%(中画質)程度まで通信量を削減する事が出来ます。
このエンコード方式を使用するにはZYWRLEに対応したVNCサーバが必要です。詳しくは、ZYWRLEのセットアップを御覧下さい。
- [ネットワーク]
- この接続で使用するネットワーク接続を指定します。
- タップすると、標準の[環境設定]/[ネットワーク]画面が現れますので、接続に使用する設定を選択して[終了]を押してください。
この画面に戻ってくると、設定名が[ネットワーク]部分に入ります。
- 指定しない、または[消去]ボタンを押して、[自動選択]にしておくと、[環境設定]/[ネットワーク]で指定されている標準の接続先を自動的に選択して接続します。
- 音声設定
- Palm上でPC音声を再生するかどうかを指定します。
- 音声なし : 音声を再生しません。
- 低音質(12Kbps) : 電話程度の音質(8KHz/モノラル)で音声を再生します。
- 中音質(24Kbps) : ラジオ程度の音質(16KHz/ステレオ)で音声再生します。
- 高音質(48Kbps) : MD程度の音質(22.05KHz/ステレオ)で音声再生します。
音声再生を行うには、VNCサーバとは別に、音声サーバが必要です。詳しくは、音声サーバのセットアップを御覧下さい。
- OK
- 設定内容を保存する場合に押してください。保存後、編集画面に戻ります。
- [キャンセル]
- 設定内容を破棄する場合に押してください。破棄後、編集画面に戻ります。
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キーの設定画面
接続先の編集画面で[キー]を押すと、この画面が現れます。

画面各部の意味は以下の通りです。
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接続先の編集画面で[メニュー]を押すと、この画面が現れます。

画面各部の意味は以下の通りです。
- [メニュー種別] ... 左右どちらのメニューを編集するか指定します。
- メニュー項目 ... 各メニュー項目に割り当てるマクロを指定します。
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システムログ画面
μVNCでは、動作状況をログとして記録しています。この画面では、ログを参照することが出来ます。
また、接続失敗した場合等には、自動的にこの画面が現れ、ユーザに接続失敗した状況を通知する場合もあります。
画面各部の意味は以下の通りです。
- [OK] ... ログ画面を閉じます。接続先一覧画面に戻ります。
- [クリア] ... 現在までに記録されているログを消去します。
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シェアウェアの登録画面
μVNCはシェアウェアです。2週間、無償で試用する事が出来ますが、継続して使用する場合には、
ライセンスコードを購入して頂く必要があります。
この画面では、ライセンス購入に必要な、自分のReg.Codeの確認や、 購入したLicense Codeの入力を行う事が出来ます。

画面各部の意味は以下の通りです。
- [Your Reg.Code] ... このPalmに固有な登録用コードです。ライセンス購入の際には、
このコードを購入サイトで入力して下さい。
- [Enter License Code] ... このPalmに固有なライセンスコードを入力して下さい。
ライセンスコードは、購入サイトで支払い後に、利用者に通知されます。
- [OK] ... ライセンスコードを入力したら、このボタンを押してください。
正しいライセンスコードが入力されると、機能制限が解除されます。 以降、この画面は、以下に示すような画面に変化します。
- [キャンセル] ... ライセンスコードを入力せずに終了する場合には、このボタンを押してください。

なお、Reg.Code、License
Code共に、コードは、英大文字と数字と"-(マイナス/ハイフン)"から成っています。
また、文字の混乱を防ぐため、0(ゼロ),1(イチ)は使用されておらず、O(オー),I(アイ)が使われています。
入力の際には、お間違えのないよう、お気をつけ下さい。
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マクロ編集画面
μVNCのサイドメニューは、そのままでもさまざまな機能が実行できますが、
この内容は、自由に変更することができます。それぞれのメニュー項目には、
最大8個までのマウス操作やキーボード操作(マクロ)を割り当てることができますので、μVNCから、定型的な操作をメニューから選択するだけで実行することができます。
この節を参考に、マクロを定義するには、VNCプロトコルでのキーコード、マウスイベントの定義やクリップボードの取り扱いなどの、高度な知識が必要です。
設定を誤った場合、μVNCやパソコンが誤動作する恐れがありますので、マクロ定義に必要な情報をお持ちでない場合は、
標準設定のままサイドメニューをお使いになられることをお勧めします。
本書におけるサイドメニューに関連した操作は、カスタマイズしていないサイドメニューを前提としています。
この節の内容を参考に、サイドメニューのカスタマイズを行った場合には、適宜読み替えてご覧下さい。
マクロ定義の内容は、全ての接続先で共通です。接続先ごとにマクロ定義の内容を変更することはできません。
接続先ごとに、サイドメニューに割り当てる順序や、サイドメニューに割り当てるか否かを変更することはできます。

画面各部の意味は以下の通りです。
- マクロ番号 ... 編集するマクロを番号で選択します。1-19までの19個が選択できます。
- 名前 ... マクロに付ける名前を入力します。この名前はサイドメニューの項目名として表示されます。半角で31文字まで入力出来ます。
- 操作番号 ... 操作の順序を表す番号です。1-8までの番号で、小さい数字から順に実行されます。操作種別が(none)以降の操作は行われません。
- 操作 ... 実行する操作を、操作種別と設定値で指定します。以下のような操作があります。
- KeyDown、KeyUp
- それぞれ、指定されたキーコードのキーを押す、離すという指令を送ります。
- このキーコードは、X Window Systemで用いられているものと同じです。
詳細なコードについては、キー定義一覧をご覧下さい。
KeyDown、KeyUpは、必ずペアで定義してください。また、あるキーを押しながら他のキーを押す場合には、
キー定義が入れ子になる点に注意してください。
指定されたキーコードが、実際にパソコンに送られるかどうかは、パソコン側のVNCサーバの実装に依存します。
例えば、キーコードとして漢字キー(0xFF21)を指定しても、それを解釈しない(英語版の)VNCサーバをご使用の場合、
正しく処理されません。
- Click
- 指定されたマウスのボタンをクリックします。
クリックするマウス座標は、現在のマウスカーソルの位置になります。
指定できるマウスボタンの種類は、以下の通りです。
- 0x0001
- 左ボタンをクリックする
- 0x0002
- 中ボタンをクリックする
- 0x0004
- 右ボタンをクリックする
- Special
- μVNC自身に、指定された指示を出します。指定できる指示は、以下の通りです。
- 0x0001
- (未使用)
- 0x0002
- パソコンからのクリップボード転送が終わった時点で、バッファの内容を表示する「遅延表示機能」を実行します。
実際の利用例については、サイドメニューの全文取込をご覧下さい。
- 0x0003
- 左メニューを表示します。
- 0x0004
- 右メニューを表示します。
- 0x0005
- Windowsへのログオンを実行します。
- 0x0006
- パソコンとの接続を切ります。
- 0x0007
- 特殊キーパッドの表示/非表示を切り替えます
- 0x0008
- ズームイン。画面の縮小表示比率を小さくします。
- 0x0009
- ズームアウト。画面の縮小表示比率を大きくします。
- 0x000a
- ファイル転送。ファイル転送機能を実行ます。
- [OK] ... マクロ編集画面を閉じます。接続先一覧画面に戻ります。
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接続中の操作 (VNC接続編)
一旦、PCに接続すると、原則として、全てのキー(Graffiti)入力とペン入力は、PCへのキー/マウス入力として
そのまま送られるので、直接PCを使用しているのと同じように操作する事ができます。
ですが、シフトキーや右マウスボタンクリック等は、元々、Palm OSにはない操作なので、
特別な代替入力法を用いて入力します。
また、それ以外にも、(接続先PCではなく)μVNCVNC自体を操作する為の操作もあります。
ここでは、これらの操作について解説します。
(注意):ここでは、V0.92互換割り当てで説明しますが、
V0.93よりキー割り当てを変更できますので、
キー割り当てを変更した場合、ここの説明と一致しない場合があります。
この説明では、接続先PCのOSとしてWindows XPを、Palm OS機にCLIE UX50を用いましたが、
どのOS、Palm OS機でも、操作方法は同じです。



画面各部の意味は以下の通りです。
- 画面上をタップして行う操作
- 仮想画面スクロールバー ... 詳細な設定画面で説明した通り、
Palm OS機で、PCの全画面を表示させる事は出来ません。Palm OS機で表示されている、PC画面の一部分を
仮想画面と呼びます。このスクロールバーを使う事で、仮想画面を動かし、PC画面の任意の一部分を
表示させる事が出来ます。
縦のスクロールバーは、垂直方向の移動の為、横のスクロールバーは、水平方向の移動の為のものです。
スクロールバーでの操作は、以下の通りです。
- ラバーバンド(色の濃い部分)をタップしたまま動かす(ドラッグ操作) ... ドラッグ移動量に応じて、
1ドット単位で、任意の場所へ、仮想画面を動かします。
- ラバーバンド以外(灰色の部分)をタップする ... 仮想画面をページ単位で動かします。
ページのサイズは、仮想画面のサイズです。
- ステータスボタン ... これを押すことにより、スクロールバーの下の特殊キーパッドの
表示/非表示を切り替えられます。
- 特殊キーパッド ... Palm OSでは直接入力する事が出来ないキー操作等を行うパッドです。
- ESC ... ESCキーを送出します。
- SHFT ... シフトキーを送出します。一度押すと押したままになり、
もう一度押すと離した事になります(トグル動作)。
- CTRL ... コントロールキーを送出します。一度押すと押したままになり、
もう一度押すと離した事になります(トグル動作)。
- ALT ... ALTキーを送出します。一度押すと押したままになり、
もう一度押すと離した事になります(トグル動作)。
- FN ... ファンクションキーの動作をシミュレーションします。一度押すとON状態になり、
もう一度押すとOFF状態になります(トグル動作)。ON状態で、数字の"1"〜"0"を押すと、
ファンクションキーのF1〜F10を送出します。
- ← ... カーソルの左キーを送出します。
- → ... カーソルの右キーを送出します。
- ↑ ... カーソルの上キーを送出します。
- ↓ ... カーソルの下キーを送出します。
- Up ... PageUpキーを送出します。
- Down ... PageDownキーを送出します。
- R/L ... マウスボタン状態を切り替えます。一度押すとON状態になり、
もう一度押すとOFF状態になります(トグル動作)。ON状態でPC画面をタップすると、画面上で右マウスボタンを押した事になり、
OFF状態でPC画面をタップすると、画面上で左マウスボタンを押した事になります。
- Zin ... ズームイン。画面の縮小表示比率を小さくします。
- Zout ... ズームアウト。画面の縮小表示比率を大きくします。
- Key ...
キー割り当ての切り替え。押す度に、キー割り当てがKMap1とKMap2で切り替わります。
- Rot ... 画面の回転。押す度に、右90°、左90°、通常表示が切り替わります。
- Palm OS機共通のハード/シルクボタンによる操作
- 予定表(Hard1)ボタン ... マウスボタンの左右を切り替えます。
- アドレス(Hard2)ボタン ... 仮想画面をブロック単位で左(右90°時:下/左90°時:上)に動かします。
ブロックのサイズは、32ドットです。
- To Do(Hard3)ボタン ...
仮想画面をブロック単位で右(右90°時:上/左90°時:下)に動かします。 ブロックのサイズは、32ドットです。
- メモ帳(Hard4)ボタン ... 詳細な設定画面で設定された
NTアカウントでログオンを行います。
- 上ボタン ... PageUpキーを送出します。
- 下ボタン ... PageDownキーを送出します。
- ホームボタン ... 接続を終了して接続先一覧画面に戻ります。
- メニューボタン ... サイドメニューを表示します。
- 日本語/英語入力切替ボタン ... 入力モードを切り替えます。英語モードの時は、
入力された文字は、直接PC側のキー入力として送出されますが、日本語モードの時は、下記に示すような
ローカル入力ダイアログが現れ、このダイアログへの入力となります。ここでは、Palm OS側の
日本語入力機能やクリップボード機能が使用できます。入力を終え、改行を入力すると、
ダイアログは閉じられ、入力されたテキストが、VNCのクリップボードを通じて、PC側に 貼り付けられます。
- SONYのPalm OS機固有のJogダイアルによる操作
- JogUp ... 仮想画面をブロック単位で上(右90°時:左/左90°時:右)に動かします。
ブロックのサイズは、32ドットです。
- JogDown ... 仮想画面をブロック単位で下(右90°時:右/左90°時:左)に動かします。
ブロックのサイズは、32ドットです。
- JogPush ... サイドメニューを表示します。
- JogBack ... ESCキーを送出します。
- SONYキーボード付き機種固有のキーボードによる操作
- ← ... カーソルの左キーを送出します。
- → ... カーソルの右キーを送出します。
- ↑ ... カーソルの上キーを送出します。
- ↓ ... カーソルの下キーを送出します。
- 青キー+↑(PgUp) ... PageUpキーを送出します。
- 青キー+↓(PgDn) ... PageDownキーを送出します。
- Ctrl+0 ... 詳細な設定画面で設定された
NTアカウントでログオンを行います。
- Ctrl+1 ... 画面の縮小表示比率を1にします。
- Ctrl+2 ... 画面の縮小表示比率を2にします。
- Ctrl+3 ... 画面の縮小表示比率を3にします。
- Ctrl+4 ... 画面の縮小表示比率を4にします。
- Ctrl+9 ... 描画モードを通常モードと低解像度モードに切り替えます。(トグル動作)
- Ctrl+BS ... Deleteキーを送出します。
- 特殊操作
- CTRL(特殊キーパッド)+ALT(特殊キーパッド)+BS ...
3ストロークキー"Ctrl+Alt+Delete"を送出します。
ファイル転送について
サイドメニューでファイル転送を選択すると、ファイル選択ダイアログが現れ、Palmの外部メモリカードとリモートPCとの間で、ファイルの送受信ができるようになります。
- Vol ... 選択対象のメモリーカード(Palm)/ハードディスクドライブ(PC)を選択します。
- カレントディレクトリ ... 現在のディレクトリを表示します。
- ファイル名一覧 ... 現在のディレクトリにあるファイルの一覧を表示します。ディレクトリ名の場合は末尾に/(Palm)\(PC)を表示します。
ディレクトリを選択すると、現在のディレクトリがそのディレクトリに変更されます。
../(Palm)..\(PC)を選択すると、一つ上のディレクトリに移動します。
ファイル名を選択すると転送を開始します。
- キャンセル ... 転送を中止します。
- 送信/受信 ... 転送方向を送信(Palm=>PC)と受信(PC=>Palm)とで切り替えます。
切り替えると、ディレクトリ名やファイル名一覧が、転送元のファイルシステムのものに変更されます。
転送を開始すると、ファイル名と転送の進捗状況が表示されます。
転送が完了すると、ファイル転送完了というメッセージが表示されます。
もし、転送中に何らかのエラーが起きた場合は、次の様なエラーが表示されます。
ファイル転送中に発生するエラー
メッセージ |
意味と対処方法 |
リモート側で転送禁止 |
VNC側でファイル転送が拒否されました。以下のような原因があります。
- 書き込み先に同名ファイルがあり、そのファイルが書き込み禁止状態になっている。例えば、実行中にプログラムである等。
- 書き込み先のディレクトリやファイル状態を確認してください。
- 書き込み先のファイルシステムが書込み禁止である。例えば、メモリカードが書込み禁止状態である等。
- メモリカードの書き込み許可状態を確認してください。
- 送信の際に、リモートPCがまだログインしていない状態で、書き込みユーザや権限が特定できない。
- ファイル転送を行う前に、リモートPCにログインしてください。
|
音声再生中は転送禁止 |
音声再生機能を使用している時は、ファイル転送できません。音声再生を不使用にしてから接続し直してください。 |
処理タイムアウト。転送をサポートしていないVNCサーバ? |
ファイル転送中、VNCサーバからの応答がありませんでした。Ultr@VNCを使っている限り、このエラーは発生しませんが、ファイル転送をサポートしていない他のVNCサーバを使っていると発生する事があります。サーバの種別を確認し、ファイル転送対応のサーバにアップグレードしてください。 |
ファイル処理中にエラー発生 |
Palm上のファイルにアクセス中にエラーが発生しました。以下のような原因があります。
- 外部メモリカードをサポートしていないPalm
- そのようなPalmではファイル転送は出来ません。
- メモリーカード未挿入
- 転送したいファイルが入っているメモリカードをスロットに挿入してください。
|
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接続中の操作 (SSH接続編)
接続中の操作(VNC接続編)と同様に、SSH接続の場合も、
接続すると、原則として、全てのキー(Graffiti)入力は、PCへのキー入力として
そのまま送られるので、直接PCを使用しているのと同じように操作する事ができます。
(ターミナル接続になので、原則として、ペン(マウス)操作はありません。)
Palm OSにはない操作は、VNC接続と同様に、画面下部の特殊キーパッドで入力します。

特殊キーパッドの操作は、接続中の操作(VNC接続編)を参照してください。
なお、FNをON状態にすると、ボタンシフト状態となり、以下の画面のように、 カーソルから右(6番目以降)のボタンには、
画面に入りきらなかったボタン(12番目以降)が表示されるようになります。

KeyボタンやRotボタンを操作する場合は、まず、FNボタンを押して、これらを表示してから、 操作してください。
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ZYWRLEのセットアップ
ZYWRLEは、当社が開発した方式ですので、VNCサーバには標準では入っていません。
ZYWRLEを使用するには、以下のような作業が必要です。
- Windows:Ultr@VNC V1.0.2を使う場合
- 当社でZYWRLE対応済みのUltr@VNC V1.0.2のバイナリを用意しました。
Ultr@VNC V1.0.2をインストールした後に、ファイルを置き換えてください。
ダウンロードは、こちらから。
- 他のOSおよび他のVNCサーバ
- 御自身でVNCサーバをビルドして頂く必要があります。各VNCサーバのソースを取得して、当社が提供します下記パッチを適用してからビルドしてください。
なお当社では、ZYWRLEを各VNCサーバの標準エンコーディング方式に加えて頂くよう、提案活動中であり、
将来的には、このような追加作業はなくなるものと考えています。
ZYWRLEの技術詳細については、ZYWRLEの参照実装資料(英文)を御覧下さい。
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音声サーバのセットアップ
音声配信は、VNCサーバとは別のサーバを使って配信します。
プロトコル規格は、ESD(Enlightened Sound Daemon)に独自にVorbis音声圧縮機能を加えたものです。
μVNCの音声受信機能を使うには、以下のような作業が必要です。
- Windows:EsdMonSrvを使う
- 当社で音声を配信するサーバ(常駐プログラム)を用意しました。
こちらからダウンロードして常駐させておいてください。
EsdMonSrvを起動するには、rarewaresにあるOgg Vorbis DLLが必要です。
こちらも併せてダウンロードして展開しておいてください。
- UNIX系(Linux等):
- オリジナルのesdにVorbis音声圧縮機能を加えるパッチを用意しました。
オリジナルのesdをソースを取得して、当社が提供します下記パッチを適用してからビルドしてください。
esound-0.2.35-vorbis.diff.txt
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FAQ:よくある質問と回答
- Q. PalmVNCでは接続できるのに、μVNCVNCでは接続できません。何故?
- Q. 接続した直後に、VNCサーバから切断されます。何故?
- A. SSS拡張機能を使用するの設定を解除して接続してみて下さい。
もし、これで接続できるなら、ご使用のVNCサーバーはSSS(Server Side
Scaling)をサポートしていません。
非力なPalmOS機/通信回線で快適に操作する為に、SSSは必須の機能ですが、SSSは拡張機能ですので、
全てのVNCサーバがサポートしている訳ではありません。(PalmVNCは、スケーリングを1:1にするとSSSを使いません。)
SSS無効状態では、画面拡大縮小・低解像度描画機能が使用できませんが、全ての
VNCサーバに接続することができます。
SSS対応のサーバに更新される事を推奨しますが、できない場合は、SSS無効モードでお使い下さい。
以下に、主なVNCサーバのSSS対応状況を示します。
OS/Server type |
VNC Server |
SSS Support |
備考 |
Windows |
RDP Proxy |
rdp2vnc |
◎:対応 |
弊社より御提供 |
単独型サーバ |
Ultr@VNC |
◎:対応 |
標準で対応。画面に一部ゴミが残る事がある |
RealVNC |
△:一部対応 |
標準では非対応。弊社よりV3.3.7の対応版を御提供 |
その他(TightVNC等) |
×:非対応 |
|
Unix系 |
Xvnc |
RealVNC |
△:パッチ必須 |
Linux等のバイナリ配布では非対応。
パッチを当ててビルドする必要あり |
Mac |
OS Xネイティブ |
OSXvnc |
◎:対応 |
V1.5より標準で対応予定 |
- Q. Tungsten T3で、スクロールバーが出たり出なかったりする。
- A.
Tungsten T3 DIA Compatibility PRCsは、 インストールしましたか。Tungsten
T3では必ず必要です。
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